お知らせ

2024年03月06日(水)

フィラリアについて

今回は『フィラリア』についてお話します。


●フィラリア症(糸状虫症)とは・・・
から感染する寄生虫の病気です。
フィラリアという寄生虫に感染すると、最終的には心臓(肺動脈)に寄生し発症します。
症状は元気・食欲不振、咳、呼吸困難、腹水などが認められ、最終的には心不全や多臓器不全となり命に関わる場合もあります
昔は犬の死因No.1がフィラリア症だったというのはみなさんご存知でしょうか?


フィラリアが心臓に寄生するまでの経路を簡単にご説明すると

①蚊がフィラリアに感染している犬を吸血
     ↓
②その蚊が別の犬を刺して感染
     ↓
③フィラリアの幼虫が成長しながら血中に入り、心臓に寄生
     ↓
④成虫が仔虫(ミクロフィラリア)を血中に産出

このようなサイクルになっております。

<予防薬の目的>
感染を予防するわけではありません。
②で感染したフィラリアの幼虫を③に行く前に駆除するための薬です。
蚊に刺され感染してもすぐには血管に移行せず、最初は皮下組織や筋肉にいます。
『血管内に移行する前に駆除する』ことが目的であり、月に1回まとめて駆除します。

<投与時期>
関東では蚊がいる時期が4~11月なので、5月~12月(8か月)に投与する必要があります。
蚊がいる時期の1か月後なのは、『蚊に刺されて感染してもすぐに血管には移行しないから』というわけですね。
蚊が減ってくる10月あたりで投薬をやめてしまう方がいますが、12月の投与が一番肝心といっても過言ではありません。
特に近年は暖冬の影響もあり、蚊の活動時期が伸びているとも言われております。
11月付近に感染して春に発症してしまったらせっかく予防していたことが無駄になってしまいます。

<投与前に必要なこと>
フィラリアに感染していないかの検査が必要です。
採血して検査をしていきますが、フィラリアの感染だけを調べる方法と健康診断(血液検査)も一緒に実施する方法がございます。
4~5月は健康診断キャンペーンを実施する予定なのでこの機会にぜひご利用ください。

<よくある質問>
Q:室内飼いだから予防しなくても平気ですか?
A:蚊は人間にくっついて室内に侵入してくるので、外に出なくても蚊に刺される可能性はあります。もちろん蚊取り線香などを使っていても蚊の侵入を100%防止することはできません。

Q:フィラリアが血液中や心臓内にいた場合はどうすればよいですか?
A:予防ではなく治療が必要です。治療法はいくつかありますが、その時の状態によって選択していきます。

Q:犬種によって投与してはいけない薬があるって本当ですか?
A:コリー系統の犬は注意が必要な薬があります。MDR1遺伝子に変異がある場合は神経症状などの副作用が報告されています。

Q:フィラリア症を発症したワンちゃんを近所で聞いたことがないのですが?
A:多くの方が月に1回駆虫されているので、発症したワンちゃんが近くにいないだけかもしれません。

Q:ネコも予防したほうが良いですか?
A:ごくまれにネコちゃんにも感染することがあります。フィラリア症に感染するリスクが高い場合(地域など)は推奨されます。スポットタイプのノミダニ予防薬で一緒にフィラリアを駆虫できるものがあります。

Q:お薬はいくらですか?
A:体重によってかわります。ノミダニ予防も可能な混合タイプにすることもできますので、詳しくは当院までお問い合わせください。


その他、ご質問等ございましたらお気軽にご連絡いただけたらと思います。


 
最後にフィラリア症は正しく駆虫薬を投与することで予防できる病気です。
未然に防げる病気はしっかり防いであげましょう!

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